フリースという言葉は元々、羊一頭から刈り取ったひとつながりになった羊毛のことを言いますが、現在流通しているフリースは違う素材でできています。

現在流通しているフリースの大半は、ポリエステルの中でもポリエチレンテレフタラート(PET)という、ペットボトルと同じ原料である化学繊維で作られたものがメインです。
同じくPETを材料とする、ペットボトルをリサイクルした素材もありますが、価格が高いため、現在流通しているフリースのほとんどは石油から作られたものになります。

フリースは1979年、アメリカのある紡績工場によって開発されました。
雨や雪に濡れてもすぐ乾く耐水性・速乾性に優れた化学繊維のフリース素材は、その特徴が注目を集め、アウトドアの業界でどんどん広まっていきました。

フリースと言えばユニクロが思い浮かぶ方もいるでしょう。
ユニクロは1994年にフリース販売を開始し、
肌触りなめらかなマイクロフリースや毛足の長いファーフリース、シープ調のボアフリース、柔らかでニット見えするニットフリースなどバリエーション豊富に展開しています。
フリースを日常的に着る普段着として定着させたのはユニクロと言えるでしょう。

それでは、フリース生地の特徴を詳しく見ていきましょう。

フリースは起毛加工されたポリエステル繊維が暖かい空気を含み、断熱材の働きをし、外からの冷たい空気も遮断してくれるため保温性が高いのです。
何枚も重ね着しなくても、1枚で暖かいのでおしゃれの幅も広がりそうですね。

フリースに使われるポリエステルは、強度があり軽いのが特徴です。
軽いので、着ている時のストレスが少なく、旅行など持ち運ぶ場合にも重宝します。

フリースは通気性に優れているため、保温性がありながら蒸れた空気などは外に逃がしてくれます。水分を吸ってもすぐに乾く特徴があります。
洗濯後の乾燥はもちろん、汗の発散も早いので、アウトドアやスポーツウェアとしても重宝します。

合成繊維の起毛素材はウールなどの天然繊維と比べて、とても滑らかで柔らかな肌触りが魅力です。そのため、肌が弱い方も安心して使うことができます。

フリースは水に強く、速乾性にも優れているため、洗濯機で洗うことができます。また、シワにもなりにくい素材なので、基本的にアイロンがけが不要なのも気軽に使えるポイントです。

まるでいい所しかないようなフリース素材ですが、注意すべき点もあります。

フリース素材は非常に燃えやすいので、小さな火花でもすぐに穴が開いてしまいます。火が衣類に移ると一気に燃えてしまう危険性もあるので、料理中や、ストーブ、たばこなど火器の取り扱い時は注意が必要です。

フリースは摩擦に弱い素材のため、どうしても毛玉ができやすくなります。ただし毛玉になりにくい洗い方はあるので、長く大切に使いたいアイテムは、日頃のケアを心がけましょう。
またブラシや毛玉取り機は、ものによっては生地にダメージを与えてしまう可能性があるので注意が必要です。

フリースは、基本的にご家庭の洗濯機で簡単に洗うことができます。ただし、長持ちさせるためにはいくつか注意する点があります。

①洗剤
フリース特有の柔らかさを保つためには、中性洗剤がもっとも適しています。また、静電気の発生を抑えるために柔軟剤を入れると良いでしょう。ただし、柔軟剤は入れすぎると、逆に生地がゴワゴワしてしまうので注意しましょう。

②洗い方
フリースは摩擦に弱く毛玉になりやすいため、洗濯ネットに入れて洗いましょう。その時に畳んで入れることで、少しでも摩擦を減らすことができ、毛玉を防ぐことができるでしょう。
洗濯のコースが選べる場合は、ソフトコースやドライコースで洗うと、摩擦が少なくなります。

③乾燥
フリースは速乾性に優れているので、風通しの良い場所で陰干しするようにしましょう。乾燥機は縮みや変形の原因となるため、使用を控えましょう。

暖かくて軽くて柔らか。天然素材に比べると値段も手頃なフリース。最近は毛足の長いものやインナーにできるような薄いものまでバリエーションも豊かになっています。
気軽に使えて、気軽に洗える便利さが魅力なので、秋冬のコーディネートにぜひ取り入れてみてください♪

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